開咬の矯正治療例(20代男性 治療期間1年6ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
開咬(前歯が咬まない)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 20代男性 |
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治療期間 | 1年6ヵ月 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 440,000円 |
備考 | マルチブラケットストレートワイヤーテクニック+エッジワイステクニック |
開咬(前歯が咬まない)を治したいとの主訴で来院された患者さんです。
上段の初診時写真から著しい開咬を呈している事が分かります。下顎の歯軸は左側に傾斜しています。噛んでいる部位は、第一大臼歯と第二大臼歯のみで非常に特異的な噛みあ合わせの状態です。患者さん自身も、発音が上手くできない、食べ物をうまく噛むことが出来ないなどを訴えています。
このような開咬が著しい場合、臼歯のみで噛んでいるために、お口の動きが開閉運動に限られ、臼歯をすり合わせて食べ物を細かくすることが出来にくくなります。結果、早食い、丸飲み傾向となり、経年的に胃腸障害へと繋がる原因のひとつにもなります。
開口症例においては、患者さんに治療の一部を手伝ってもらう必要があります。毎日のゴム掛けです。このゴム掛けの協力がないと、改善されません。上下の歯列にゴムを掛け合わせるために喋りにくかったりしますが、会話をするときにもゴムの力が発生するので、会話時にも必ず装着します。
今回は下顎の叢生と歯軸の改善後に、ゴムメタルワイヤーを使用して開口の改善を図りました。以前はMEAWとよばれる、非常に複雑な形のワイヤーを使用していましたが、現在はゴムメタルを使用する事で、単純なワイヤー形態で、以前よりも快適な環境での矯正治療を提供できるようになりました。1年6ヵ月の治療期間で治療終了となりました。