第一小臼歯欠損をコンポジットレジンで修復した症例
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
コンポジットレジンによる欠損部分の治療例(Before&After)と解説
治療前
治療後
こちらの患者さまは「歯のないところに歯を入れたいが、インプラントや義歯、歯を削るようなブリッジはしたくない」との主訴で来院されました。
上顎右側第一小臼歯欠損における高強度接着性コンポジットレジン修復法を用いたブリッジ補綴のケースとなります。通常のブリッジ補綴の方法では、欠損している部位の両隣りの歯を削って被せ物を作る必要があります。隣在歯が生きている歯、すなわち歯の中を血液が循環している歯である場合には、歯を削ることのリスクはあまりにも大きすぎると考えられます。
歯科治療の悪循環の一つに、歯を削り→神経を取り→被せ物をして→歯が割れ→歯を抜くという流れがあります。その第一歩である「歯を削る」ことを避けることで歯の喪失を防ぐことができます。今回のケースにおいても歯を削ることなくブリッジ補綴を完了しています。
この方法のデメリットとしていくつかの点が挙げられます。
●適応範囲が狭い
基本的に大臼歯のブリッジケースは不可となります。噛み合わせのタイプによっては下顎の第二小臼歯も不可となります。また、歯の長さや支える歯の健康状態によっても不可となる場合があるので審査が必要となります。
●コンポジットレジンの破折
ジルコニアなどの材料とくらべると強度は弱いので、緊密な噛み合わせの方、歯ぎしりする方、くいしばりする方などにおいては破折の可能性が増します。しかしながらこの破折の点においてはメリットもあります。通常ジルコニアやセラミックなどの材料が破折した場合においては修復が非常に困難であるが、コンポジットレジンの場合では即日同じ材料での修理が可能です。
年齢・性別 | 40代女性 |
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治療期間・回数 | 1日・1回 |
治療費(税込) | 高強度接着性コンポジットレジン修復 110,000円 |