開咬の矯正治療例(18歳男性 治療期間2年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
開咬(前歯が咬まない)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 18歳男性 |
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治療期間 | 2年 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 440,000円 |
備考 | 拡大床+マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
初診時口腔内の状態は、叢生に加えて開咬も認められました。顎顔面骨格の垂直的パターンにはそれぞれ注意を払う必要がありますが、この患者さんに限っては「ドリコフェイシャルタイプ」(顔貌が縦に長いタイプ)と最も警戒が必要である思われました。
開咬症例のほとんどはこの「ドリコフェイシャルタイプ」といっても過言ではありませんが、このタイプは、咬合力が弱く、下顎頭の成長能も弱いため下顎が容易に後方へ回転してしまう傾向にあります。すなわち開咬を治そうと治療を進めても、どんどん開咬が酷くなってしまうということです。
歯列の狭窄が著しいため、拡大床を用いて歯列の拡大を図りましたが、すでに永久歯列のため少量に止まりました。成人矯正における拡大装置は固定式のものが一般的ですが本人の希望により可撤式の拡大床を選択しました。
ブラケット装着後、開咬を治すにあたって顎間ゴムというゴムを上顎と下顎を繋ぐように装着しますが、下の奥歯の歯が廷出(歯が上に向かって出ること)しない様に最新の注意を払いながら、開咬を無くすように治療を進めました。結果、約2年ほどですべての治療を終了することが出来ました。