上顎前突の矯正治療例(20代女性 治療期1年2ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
上顎前突の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 20代女性 |
---|---|
治療期間 | 1年2ヵ月 |
抜歯 | 無し |
治療費(税込) | 165,000円 |
備考 | 治療方法:アライナー矯正(マウスピース型矯正装置) |
「上の前歯が一本前に出ているので綺麗に治したい」との主訴で来院されました。「前歯2本とも出来る限り中に入れたい」との希望があったので、それに沿った治療計画を進める事になりました。上の前歯を中に入れようとすると、下の前歯が噛みこんでいるため思うように中にいれることが出来ません。したがって下の前歯を中に入れて、上の前歯とのスペースを確保した後に上の前歯を中に入れます。
実際には同時にアライナー矯正(マウスピース型矯正装置)を始める事になりました。下のアライナーは3個で終了となりました。上のアライナーは8個使用しました。アライナー矯正装置は1個の装置でおおよそ0.2~0.3mmしか歯を動かす事が出来ません。当医院ではアライナーは自院で製作しているために、1個の矯正装置を装着するために2回来院が必要となります。アライナー矯正装置は最低でも2週間装着する必要がありますので、1カ月に1個のペースが標準回数となります。多くても2カ月に3個ペースとなります。
今回は患者さんが下段の写真の状態で満足されたので終了となりました。当医院ではアライナー矯正は部分矯正のみ行います。全顎矯正症例にはアライナー矯正での治療は行いません。したがってアライナー矯正の終了のタイミングは患者さん自身の満足状態に依拠します。
これ以上矯正を進めても変わらないライン、もしくは、ネガティブな結果を招く恐れがあるラインについてはお伝えいたします。アライナー矯正についてはほとんどのケースが審美的改善のためで、機能的改善は僅かです。終わるタイミングは基本的に患者さんの希望に沿います。したがって治療経過中に治療終了のタイミングついてはコンサルティングが不可欠となります。