子どもの出っ歯の矯正治療例(10歳男子 治療期間4年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
子どもの出っ歯の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 10歳男児 |
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治療期間 | 4年 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 330,000円 |
備考 | 拡大床+マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
上段写真で分かるように上顎前突(出っ歯)が著しく、口を閉じたときに、口元の周囲が緊張して、無理やり閉じている感じが分かります。上顎前突の典型と言えるでしょう。
歯列の狭窄も著しいため、歯列拡大により十分なスペースを確保できると診断し、拡大床を用いて上下額ともに1年かけて十分な拡大を得ました。 その後ブラケットを装着して基本通りにワイヤーアップを行い、獲得したスペースを利用して、上顎の出ていた前歯を中に引っ込める治療を施しました。
初診時段階でオーバージェット(出っ歯の量)が8mm程度あったので、抜歯が必要と思われかもしれませんが、下顎の前歯部が上に付きあがり、下顎が後退位(下顎が首側に位置する)をとっていると思われましたので抜歯せずに治療を進めました。
下顎の前歯部を圧下させて、上顎に突き上げている状態が改善されると、下顎が前方位をとりはじめ、オーバージェットがいっきに減少しました。非抜歯による上顎前突改善は、下顎の位置が非常に重要になります。あらゆる視点で観察することが適切な治療方針に繋がることを再確認できた症例となりました。