上顎前突の矯正治療例(30代男性 治療期11ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
上顎前突の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 30代男性 |
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治療期間 | 11ヵ月 |
抜歯 | 無し |
治療費(税込) | 385,000円 |
備考 | 治療方法:マルチブラケットストレートワイヤーテクニック+エッジワイステクニック(ゴムメタルワイヤー使用) |
本人の具体的な治療希望内容は、「上顎の前歯2本が前に出ている。」「下の前歯の並びがガタガタしている」ので治したいとのことでした。実際にセファロ分析、模型分析してみると、下顎の若干の後退位(下の顎が後方に位置する)と下顎歯列狭窄(歯列の幅が狭い)、下顎前歯部の前方成長不足が考えられました。
主訴においては上顎前歯部の出っ歯感が気になるとの事でしたが、実際の治療計画としては、下顎の前方回転、歯列拡大(前方+側方)による改善を図る事となりました。またそれに加えて、かみ合わせについての改善がありました。
上段初診時写真の左右側方面観をみると↑↓矢印の記入がありますが、上の犬歯と下の犬歯が1歯対1歯の関係で嚙み合っていることを表します。一方で下段治療後の写真を見ると、側方面観写真において上段と同じように↑↓矢印の記入がありますが上の犬歯が下の犬歯と第一小臼歯の間に位置してしている事がわかります。1歯対2歯の関係に並んでいる事がわかります。
矯正治療のゴールにおいては、上の犬歯が下の犬歯と第一小臼歯の間に噛み合うかみ合わせを目指します。そして治療前と治療後の顔貌の側方面観を見ると、治療前よりも治療後における下顎の位置が前方へ位置している事がわかります。おおよそ1年の治療期間で終了しました。