上段写真から分かるように今回の主訴は上顎前突の改善となります。治療の選択肢として全顎矯正治療と部分矯正治療に分けられますが、本人および家族の希望により部分矯正治療の選択となりました。

矯正装置はアライナー型矯正装置を使用しました。全顎矯正の場合には治療の目指すべきゴールが明らかであり、ゴール達成をもって治療終了となりますが、部分矯正においてのゴールは患者さん自身に決めていただきますので、患者さんが満足した時点で治療終了となります。

今回のケースにおいても改善の余地のある部位はいくつかありますが、下段写真の状態で患者さんが満足されたので終了となりました。オーバージェットの減少（前歯の出っ歯の量）、歯間離開の改善がメインポイントとなります。

使用したアライナーは８個、おおよそ１か月に１個のペースで治療を進めることができました。最大で２か月に２～３個のアライナーを進めることが可能となりますが、基本的には１か月に１個のペースとなります。アライナー型矯正装置を用いた矯正治療は得意な治療と不得意な治療が明らかですのですべての症例に適しているわけではありません。歯科医師とよく相談する必要があります。