叢生・上顎前突・偏位の矯正治療例(20代女性1年9ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
叢生・上顎前突・偏位の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 20代女性 |
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治療期間 | 1年9ヵ月 |
抜歯 | 有(左右第一小臼歯2本) |
治療費(税込) | 495,000円 |
備考 | 治療方法:ストレートワイヤーテクニック+エッジワイズテクニック |
上段初診時写真から、主訴でもある上顎前突、加えて上下顎前歯部の叢生、正中のズレ、左右臼歯部から犬歯部までのかみ合わせの位置関係(1歯対1歯になっている)など改善点が多いケースであります。
治療開始時点での治療計画においては非抜歯で進める予定でしたので、臼歯部を遠心移動(後ろに下げる)させるために、上顎にペンデュラムを装着しました。上顎臼歯部の遠心移動を5ヵ月程行いましたが、十分なスペースを獲得することが出来ないと判断して左右上顎第一小臼歯が抜歯に至りました。
アンカーロス(獲得したスペースが無くなる)を防ぐために上顎に矯正用のインプラントを埋入して、エンマスリトラクション(出ている前歯を中に入れる)を行いました。今回の治療において治療開始時期から抜歯の選択をすることで治療期間の短縮を見込めましたが、非抜歯治療の可能性があるようであれば、抜歯せずに治療をすることを矯正治療の理念としているため、今回のケースにおいても第一選択として非抜歯治療の選択をしました。
このように矯正治療においては最終的に目指すゴールのモデルは変わりませんが治療計画や使用器具、使用材料が変更されることは多々あります。術前の治療計画、費用については患者さんと十分に話し合う必要があります。