下の前歯の部分矯正治療例(10代女性 治療期間12ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
下の前歯の部分矯正の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 10代女性 |
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治療期間 | 12ヵ月 |
抜歯 | 無し |
治療費(税込) | 198,000円 |
備考 | マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
主訴は下顎の前歯部の軽度の叢生改善です。治療法の選択としてアライナー型矯正装置とブラケット+ワイヤーによる矯正装置がありました。
親御さんの希望として、「時間がかかったとしてもできるだけ後戻りがないようにしてほしい」とのことでしたので、ブラケット+ワイヤーによる矯正治療の方法を選択しました。
ひと月に一度の来院で7種類のワイヤーを使用しました。細いワイヤーから太いワイヤーに段階を経て上げていきます。一番太いワイヤーで3か月程待ってから再び細いワイヤーに段階を経て下げていきます。太いワイヤーは歯根をコントロールする役目があります。歯冠(歯の頭に部分)だけ動いても歯根も動かなければ後戻りする可能性が高くなります。
しっかりと歯冠と歯根が動くことを歯体移動といいます。一方で歯冠だけ動くことを傾斜移動といいます。ワイヤー矯正では歯体移動を行うことができますが、アライナー型矯正装置による矯正治療は傾斜移動している可能性が多いことは否定できません。
今回のケースからすると一見数か月程度で終了するであろうと考えましたが、歯を動かしてみると動きが悪く予想以上に時間もかかりました。しかしながら十分な時間を使える事で長期安定性を目指した治療をすることができました。