軽度の反対咬合(受け口)の矯正治療例(20代男性 治療期間2年8ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
反対咬合(受け口)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 20代男性 |
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治療期間 | 2年8ヵ月 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 330,000円 |
備考 | マルチブラケットストレートワイヤーテクニック+エッジワイステクニック (ゴムメタルワイヤー使用) |
歯並びの改善を主訴に来院されました。上段写真を見ると、前歯部の切端咬合(上の歯と下の歯の先で噛んでいる状態)、やや下顎前突傾向の状態がわかります。側面観では、一歯対一歯のかみ合わせが確認できます。(本来の正しいかみ合わせは、一歯対二歯の状態です)
また上段の右端の写真、上顎歯列の咬合面観(上顎の歯列を上から映した様子)をみると、上顎前歯部の前方への成長が乏しく、正常な被蓋(上の前歯が下の前歯を覆う状態)関係を成してません。従って、上顎前歯部の前方への移動を図り、かみ合わせを一対二の関係になるように、治療を施しました。
ゴムメタルワイヤーを積極的に使用して歯を動かしました。力を加減しながら断続的に加える事が出来るので、歯を並べるにあたり時間の短縮をすることが出来ます。後戻りをしないように太いワイヤーを装着している時間を長くとり、歯の歯体移動(歯の頭の部分だけ動かすのではなく、歯の根を平行に動かす)を図りました。
治療後は「食事の際に物を良く噛めるようになった」とのことでした。これはまさに一歯対一歯のかみ合わせが、一歯対二歯の関係になったことによる結果であると考えます。現在治療終了後8カ月が経過していますが、後戻りは見られません。