上顎前突の矯正治療例(30代女性 治療期1年7ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
上顎前突の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 30代女性 |
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治療期間 | 1年7ヵ月 |
抜歯 | 無し |
治療費(税込) | 495,000円 |
備考 | 治療方法:ストレートワイヤーテクニック+エッジワイズテクニック |
上段写真が初診時となります。中央写真では下の前歯が上の前歯に隠れて見えない状態になっています。過蓋咬合と呼ばれる状態です。
左右写真からは、上顎前突の状態がよく分かると思われます。上顎犬歯と下顎犬歯が1歯対1歯の関係になっています。上顎前突の特徴のひとつです。
下段左右写真は改善後の写真となりますが、上顎犬歯が下顎犬歯と第一小臼歯の2歯で、1歯対2歯の関係になっています。
上顎前突のケースでは多くの場合抜歯を伴うことが多いですが、今回のケースでは非抜歯での治療となりました。その理由として抜歯することにより必要以上にスペースが余る可能性が高くスペースを埋めるための処置が続き、結果治療期間が長くなることが挙げられます。
出っ歯の治療は上顎の前方に出ている前歯を中に引っ込める治療だけではありません。今回のような過蓋咬合のケースでは、下顎の前歯部を下前方へ出す必要があるために、上顎前歯部を極端に中に入れ込む必要がありません。
上顎前歯部を中に入れながら、下顎の前歯部を前に出すことにより、顔貌のバランスを取ることがとても重要となります。そのため今回は、ディスタライザーと呼ばれる装置を用いて抜歯することなく出っ歯を治す治療となりました。1年7ヵ月で治療完了となりました。