出っ歯(上顎前突)の矯正治療例(13歳女性 治療期間6年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
出っ歯(上顎前突)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 13歳女性 |
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治療期間 | 6年 |
抜歯 | 上顎左右第一小臼歯 |
治療費(税込) | 440,000円 |
備考 | 拡大床+マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
初診時に上顎前突を改善するにあたって両親と治療方法についてお話しましたが、様々な理由から拡大床のみで治療を進めていくことになりました。今回のケースでは、拡大床のみの治療では、根本的に解決できない旨は説明しましたが、「それでも出っ歯が少し治ればいい」 との事でしたので、拡大床を用いた治療が6か月ほど続きました。
矯正を始めた時点ですでに永久歯列であったので拡大量にも限界があり、出っ歯の改善も不十分でした。 その後本人から全顎治療の希望もあり、マルチブラケットストレートワイヤーテクニックよる全顎治療を始めることになりました。 上下額ともに歯列の狭窄が顕著であったため、十分に時間をかけて歯列の拡大を図りました。
下顎に関しては前歯部が上顎の歯肉に突き刺さるほどのかみ合わせで、臼歯部と前歯の歯列に強いカーブ(スピーの湾曲と呼ばれます)がついていたので、前歯を圧下させて、臼歯部を廷出させてカーブを無くして、かみ合わせを作ることに十分な時間をかけました。
前歯を引っ込める治療を行うための前準備となる治療が長期にわたり続きましたが、それにより安定したかみ合わせのもとで出っ歯を治すことが出来ました。 審美的な治療の裏には、地道な基礎的な治療がなされてこそ、良い結果が得られると確信できる一例でした。