高強度接着性コンポジットレジン修復法によるブリッジ症例
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
高強度接着性コンポジットレジン修復法によるブリッジ症例
治療前
治療後
こちらは下の前歯を失い、審美的回復を希望されている患者さまのケースとなります。歯を失った場合の治療方法の選択肢としては3つ挙げることが出来ます。
●義歯
●ブリッジ
●インプラント
となります。
下の前歯を失った場合には、ブリッジの選択が最も多いです。通常、保険適応治療も含めてブリッジの治療を行う場合には隣在歯(両隣りの歯)を削り、その歯を支えとして欠損している歯を補います。まさに橋掛けしている状態なので、ブリッジと呼ばれています。
下の前歯の欠損を補うためのインプラント植立は、下顎前歯部においては歯槽骨の厚みが薄いことから、かなり難易度があがり、長期安定性も下がります。
今回使用した「高強度接着性コンポジットレジン修復」法によるブリッジは、両隣在歯を削ることなく、接着の力のみでブリッジが作られています。したがって、術後も歯がしみたりすることもなく、ブラキシズムなどの過度な力が持続的に加わらない限り、長期安定性にも優れています。
欠点としては、噛み合わせによっては脱離の可能性が上がることです。また、欠けたりすることもデメリットではありますが、同じ材料で何度でも修復できるため、逆にメリットでもあると考えます。セラミック粒子の含有量も高いため、色調も優れており、使用していると時間の経過とともに歯表面が滑沢になります。今回のような下顎前歯部欠損における接着性ブリッジは、優れた審美修復方法であると考えます。
年齢・性別 | 30代男性 |
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治療期間・回数 | 1日・1回 |
治療費(税込) | 高強度接着性コンポジットレジン修復 121,000円 |