子ども反対咬合の矯正治療例(7歳男児 治療期間4年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
子ども反対咬合の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 7歳男児 |
---|---|
治療期間 | 4年 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 115,500円 |
備考 | 拡大床+マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
乳歯列期における受け口を心配されて来院されました。今回のケースも上顎骨の劣成長によって上顎は前方に発達せず、下顎のみが発達することでかみ合わせが反対になってしまったと考えられます。したがって拡大床を使用して上顎骨を前方へ牽引することで改善を図りました。
まだ7歳と骨の成長も十分に見込めるので、すぐに治療を開始しました。 また、この時点では前歯部は乳歯列でしたが、永久歯が萌出するまで治療が続くのでこの長い期間に装置を装着し続けることが最大の課題でした。乳歯が脱落するまで乳前歯部を前方へしっかりと押し出して、永久歯(中切歯)が萌出したところで、ブラケットを付けてマルチブラケットストレートワイヤーテクニックも併用しながら更なる前方牽引を行いました。
現在も永久歯前歯部は萌出中ですが、主訴であった反対被蓋(かみ合わせのこと)は改善されたので、装置を外して経過観察となりました。この種の反対咬合は、上顎前歯部周辺の窪みが改善することで、横から見た顔貌の変化が顕著で、顔貌の前方成長は審美的に欠かせないものだと改めて痛感いたしました。