こちらの患者さまは、左側下顎第一大臼歯に違和感を感じるとのことで来院されました。検査の結果、当該歯を根尖性歯周炎と診断しました。

患者さまは「なるべく抜歯したくないので何とか歯を残したい」とのことでしたので、左側下顎第一大臼歯の近心根を分割抜歯し、遠心根は保存することになりました。

その後の補綴については、遠心根の単冠クラウン、第二小臼歯と遠心根を支台としたブリッジ、義歯、インプラントなど選択肢は様々ありますが、

【患者さまの希望】
●歯を削りたくない
●義歯はしたくない
●インプラントは費用の問題から不可

などの理由から今回は高強度接着性コンポジットレジン修復を利用したブリッジ式クラウンを選択することになりました。

今回のクラウンの利点としては、
◯支台となる第二小臼歯を全く削ることがない点
◯咬合力が分散されるため保存した第一大臼歯遠心根の安定が見込める
◯自分の歯のように噛むことができる
◯同じ材料で何度でも修復可能・即日完成

欠点として
✕破折の可能性がある
✕適応範囲が限定される
✕食いしばり、歯ぎしりがある方は禁忌となる

利点欠点を比較すると明らかに欠点が少なく、非常に有益な治療方法の一つであると考えます。