ガタガタした歯並びを治したいとの主訴で来院れた患者さまです。

上段の初診時写真から上下顎前歯部叢生、右側側方歯列のかみ合わせ（1歯対1歯の関係）が改善点として挙げられます。上顎前歯部の翼状捻転においては、5ｍｍ程度のスペース不足があると考えられます。しかしながら抜歯の選択はせず、既存の補綴物などを利用したIPR法（歯と歯の間を一歯につき0.3ｍｍ程度削合してスペースを獲得する方法）を用いて必要なスペースを獲得しました。

治療開始から7ヵ月程度でアライメント（歯を並ばすこと）終了。上下のかみ合わせを緊密にするために顎間ゴムの使用を始めました。顔貌はドリコタイプであるため、開口傾向に至りやすいと考え、顎間ゴム治療はオーバーコレクション（通常よりも治療に長い時間をかける）しました。ゴムの使用状況は直接治療結果に繋がるため、患者さんの協力が必要ですが今回は非常に協力的で短期間での治療完了となりました。