開咬の矯正治療例(11歳女性 治療期間6年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
開咬(前歯が咬まない)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 11歳女性 |
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治療期間 | 6年 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 440,000円 |
備考 | 拡大床+マルチブラケットストレートワイヤーテクニック |
初診時診断では、開口を認め、小臼歯部の歯列は狭窄し、上顎犬歯に叢生が認められました。加えて顎顔面骨格の垂直的パターンは、ドリコフェイシャルタイプであり難易度が高いことが予想されました。
まず最初に上下額の歯列弓拡大のために拡大床を使用しました。永久歯列での拡大でしたが叢生量が少ないために拡大可能であると判断しました。6か月程経過したのちに4mm程度スペースを確保できたので、マルチブラケットストレートワイヤーテクニックを開始しました。
臼歯部のかみ合わせが変化し始めると下顎が左側偏移がはじまり正中にズレが生じました。習慣性の咀嚼測(習慣的に噛む側)が左側であると同時に、左側のかみ合わせが低かったために左側へ偏移したと考えました。ゴムメタルワイヤーを使用して左側のかみ合わせの高さを改善して、右側のかみ合わせと平衡になるように調整しながら正中のズレを治していきました。この治療に2年ほどかかりましたが、結果正中のズレ、開口、叢生すべて改善することができました。
非常に難易度の高いケースでしたが小学生から矯正治療がはじまり高校生で終了することができました。