子どもの叢生・八重歯の矯正治療例(11歳女子 治療期間5年)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
子どもの叢生・八重歯の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 11歳女子 |
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治療期間 | 5年(混合歯列期から永久歯列期にかけて) |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 330,000円 |
備考 | マルチブラケットストレートワイヤーテクニック+エッジワイズ法(ゴムメタル使用) |
初診時は11歳で、まだ乳歯と永久歯が混在していました。ブラケット治療を始める前に下顎にリンガルアーチを装着しました。下顎第二乳臼歯の下から萌出してくる第二小臼歯の幅径が小さいために生まれるスペースを確保するために行います。
今回の模型の写真は、永久歯が生え揃ってからの写真になりますが、この写真の状態になるまで1年ほど待ち、ブラケットを装着して本格的な矯正治療が始まりました。通常通り、細いワイヤーを始めに装着して、徐々にワイヤーの太さを太くしていきます。ワイヤーの力を歯の根に十分に伝えて歯体移動(歯を平行に動かす)を行うためです。
その後、下顎の第二大臼歯が萌出してからワイヤーをゴムメタルと呼ばれる、屈曲性に優れたワイヤーに変えて、歯の並びをさらに揃えていきます。下顎の並びを揃えていくのに1年ほど費やしました。大まかに上下顎の歯列が揃ったところで、上下の咬み合わせ、上の前歯と下の前歯の間にすき間ができてきました。これは矯正治療における力の反作用によるもので、様々な形で起こります。したがって上の歯列と下の歯列に顎間ゴムを装着して改善を図りました。歯列が綺麗に並んだ後も後戻りを考慮して、1年ほど顎間ゴムを使用していただき終了となりました。