交叉咬合・反対咬合の矯正治療例(20代女性 治療期間2年10ヵ月)
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
交叉咬合・反対咬合(受け口)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 20代女性 |
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治療期間 | 2年10ヵ月 |
抜歯 | なし |
治療費(税込) | 495,000円 |
備考 | ストレートワイヤーテクニック+エッジワイズテクニック |
上段が初診時写真となります。前歯部から左側臼歯部にかけて噛み合わせが上下逆になっている様子が分かります。交叉咬合と呼ばれます。今回のケースにおきまして反対咬合も混在していると考えます。
下顎が左側に偏位しており、正中もズレていることが確認できます。右側の噛み合わせの関係は1歯対1歯(本来であれば1歯対2歯)の状態、左側の関係は1歯対1歯の関係に加えて上下の噛み合わせが反対の状態になっています。上記のように改善するべく点が多く、非常に難易度の高いケースと考えます。
まず、初めに下顎が左側へ偏位しズレている正中を改善するために右側下顎臼歯を遠心移動することから行いました。臼歯は1歯づつ丁寧に遠心へ動かしていきます。獲得したスペースを利用して下顎臼歯部、前歯部ともに右側へ移動します。その結果、1歯対1歯の関係を1歯対2歯の関係に、また正中のズレを改善しました。上顎歯列も側方、前方ともにワイヤー拡大を通常通り行います。その過程において下顎前突の改善も同時に行います。
顎間ゴムを駆使して交叉咬合を改善し、噛み合わせを緊密にして終了となりました。毎日の徹底した顎間ゴムの使用が結果に大きく影響します。