痛みの少ない親知らずの抜歯
執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
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親知らずは抜かないほうがいい?親知らずへの処置法について
親知らずが生えてくると、抜いたほうがいいのかどうかが気になる方もいらっしゃるでしょう。抜くにしても、親知らずの抜歯は痛いとか苦しいとか、そういった話も耳にするところです。確かに親知らずを抜いたほうがいい場合もありますが、そうでなければ必ずしも抜かなければならないということはありません。かえって親知らずをそのままにしておくほうがいいというケースもあります。その点について以下でご説明致します。
親知らずのリサイクルとは
親知らずを抜かずにおくことで、リサイクルできる場合があります。そのため残せるのであれば残しておいたほうがいいと考えられます。
- 他の歯を抜かなければならない場合、抜歯部分へ親知らずを移植することで咬み合わせの復活が見込めます。
- 隣接する歯を抜く場合、手前に親知らずを引っ張って移動させ、外科手術を行わずに歯列矯正という形で咬み合わせを復活させる方法もあります。
- 手前の歯を抜く際にブリッジを作りたいとき、親知らずを軸にすることができます。
何らかの原因で歯が抜けた場合に、インプラントや差し歯などの人工物ではなく、自らの歯である親知らずを活用し、咬み合わせを元通りにすることができるのです。親知らずは当然自分の口とよく馴染みますし、問題も生じにくいといえます。
親知らずを移植できる条件とは
残念ながら親知らずが全てのケースにおいてリサイクル可能だというわけではありません。親知らずの大きさや形が移植に向いているかどうか、どこへ移植したいのかといった状況にもよります。一度ご来院をいただいた上で、診察をご受診ください。
親知らずを抜いたほうがいい5つのケース
親知らずが歯ぐきから僅かに露出しており、それ以上伸びていかない時
親知らずの生える方向が横や斜めである場合、歯ぐきから一部しか見えないということがあります。このようなときは歯みがきによってきれいにするのが難しくなるため、虫歯や歯周病となりやすくなってしまいます。その前に抜いてしまったほうがいいといえましょう。
手前側の歯を親知らずが強く圧迫することで歯並びが乱れかねない時
親知らずが真っ直ぐに生えていないと、手前側の歯を圧迫するような形で伸びていくことがあります。この場合も今後歯並びが乱れてしまう可能性があるので、痛みがなかったとしても抜いておくべきだといえます。
周辺に嚢胞が見受けられる時
親知らずをレントゲン撮影した場合、その周辺に袋状の影が写ることがあります。この影は嚢胞という膿の固まりであり、放っておくと痛みや感染症の原因となります。そうした問題を防ぐため、親知らずを抜いたほうがいいでしょう。
咬み合わせの問題から歯ぐきや頬を傷つけ、痛みが生じている時
親知らずが咬み合わないままに伸びていくと、歯ぐきや頬に接触して粘膜を傷つけてしまう場合があります。また顎関節症の原因となることもあります。これらの場合には親知らずを抜いてしまったほうがいいです。
親知らずが重度の虫歯となってしまった時
親知らずが重度の虫歯になってしまった場合には、無理に残そうとするよりも抜いてしまったほうが後々のためにもいいと考えられます。
親知らずを抜く時には強い痛みを感じるのか
しばしば、親知らずを抜くのは大変であり、痛みも強いといわれます。しかし実際には麻酔を使用するので、歯を抜く際の痛みはありません。当院では麻酔注射の痛みについても対策をしてありますので、よりいっそう痛みを感じずに済みます。ただ、抜歯後、麻酔が切れた後には多少の痛みが生じますが、これについても軽減処置を施すことで対処できます。
抜歯に時間が掛かれば掛かるほど、痛みも増す
抜歯に長時間を費やしてしまうと、それだけ身体への負担も大きくなるため、その後の痛みも強くなってしまいます。横や斜めに生えている親知らずや顎の骨に埋没しているような親知らずは、どうしても抜くのに時間が掛かってしまうので、痛みも強くなってしまうことがあります。
そこで当院では親知らずの抜歯を数多く経験してきた歯科医師がレントゲンやCTを駆使して予めシミュレーションを行い、短時間でのスムーズな抜歯を行うことで、可能な限り痛みを軽減します。
ドライソケットの痛みとは
親知らずの抜歯後には、穴の部分に血が溜まり、露出した骨を覆い隠してくれます。ドライソケットというのはそのかさぶた状の血が剥がれ落ちることで強い痛みが感じられるという現象のことです。
このドライソケットを防ぐには、抜歯後のうがいなどといった接触を避け、医師の注意を守っていただく必要があります。もしご希望がありましたら、人工コラーゲンの注入といった方法によりドライソケットを防ぐことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
親知らずと小顔化の関係について
特に女性の方は小顔となることを望むために、親知らずの抜歯が効果的なのではないか、という疑問をお持ちになるようです。この点に関しては、僅かに小さくなることも考えられないではないものの、基本的には見てわかるほどの効果はない、というのがお答えとなります。下顎の親知らずはエラ付近に位置しているため、それを抜けば骨が吸収されます。ただ、吸収される骨の量にも限度があるため、エラが薄くなるかといわれると疑問でしょう。抜歯は身体への負担も大きいので、小顔となりたいから親知らずを抜く、というは避けたほうが無難と考えられます。
愛知県尾張旭市で親知らずの抜歯を検討されている方へ
愛知県尾張旭市において親知らずの診察や抜歯をお求めの方は、一度ナガイ歯科までご相談ください。親知らずを抜歯したほうがいいかどうかは患者さんごとに異なります。当院では将来のリサイクルの可能性なども考慮した上で抜歯の是非を検討し、ご提案致します。やはり抜歯したほうがいいとなった場合でも、痛みや負担をなるべく軽くした処置を行いますので、ご安心ください。