材料の違いによるラミネートべニアについて
投稿日:2023年7月24日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
前回のお話で、セラミックを用いたラミネートべニアは破折した場合のリカバーが困難である旨お伝えしました。
その他にもラミネートべニアのデメリットがあります。
経年変化です!「セメントライン」の出現です。
ラミネートべニアは、歯科技工士が製作した補綴物を歯の表面にセメント合着します。
補綴物と歯の間には「セメント」が介在します。
ラミネートべニア治療後にラミネートべニアと歯の間のラインが黒くなったり、変色して気になると訴える方が少なくありません。セメントの厚みに依拠するのですが、ここは精度が要求される部分ですが、いくら精度高くしてもセメントが介在する以上は、セメントラインの出現は否めません。
結果、セラミックによるラミネートべニアは長期安定性に問題があると言えます。
また歯科医師と歯科技工士の優れた技術力が要求されることは言うまでもありません。
一方で、セラミックに変わる材料で「コンポジットレジン」が注目されています。近年の日本メーカーの技術発展によりセラミックとほぼ変わらない色調を出せるようになってきています。
この「コンポジットレジン」の優れたところは、
「セメントラインが存在しない」「破折しても同じ材料で修復可能」な点が挙げられます。
「コンポジットレジンを用いたラミネート(ダイレクト)べニア」はチェアサイドで歯科医が直接製作するので歯科医の技術力は要求されますが、基本的には即日完了でき、長期安定性においても優れた方法と言えるでしょう。
つづく
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