知覚過敏はなぜ起こる?
投稿日:2023年9月3日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
歯の中には「歯髄」と呼ばれる神経や血管から成る組織があり、その周りは象牙質と呼ばれる組織があります。
その「歯髄」から象牙質の中まで無数に続いている「象牙細管」が、象牙質に栄養を送っていると考えられています。
この「象牙細管」内部には「歯髄液」と呼ばれる組織液で満たされています。
歯を削ったり、歯のたわみや、刺激などにより象牙細管が露出した状態になると
温かい、冷たい、などの熱による刺激、歯ブラシなどの物理的刺激、などにより歯髄液の流れに変化が現れます。この変化が歯髄に影響して痛みと感じられます。
これが知覚過敏なのです!
象牙細管が無数に存在する象牙質は有機成分(コラーゲンなど)を多く含みますので、たわみやすい性質を持ちます。
かみ合わせなどによっても歯はたわみます。そこにナイロンなどの硬い歯ブラシで強くゴシゴシこすると象牙質を覆っているエナメル質は削れて無くなってしまいます。
するとエナメル質の下から象牙質が露出してしまいます。
象牙質が露出した状態であっても象牙細管が必ずしも露出するとは限りません。
どのような作用で象牙細管が露出するのかまだ分からない事もたくさんありますが
硬い歯ブラシでゴシゴシ擦るのは止めましょう!
■ 他の記事を読む■