被せ物を長持ちさせるために
投稿日:2023年2月17日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
「歯」は頭の部分の「歯冠」と歯肉の中にある「歯根」から成ります。
被せ物治療は主に歯の頭の部分「歯冠」が何らかの理由で崩壊し、それを回復させるための方法です。
「歯冠」をいくら改善させても、その土台となる「歯根」が健全でなければ意味がありません。
立派な家を建てても、土台がしっかりとしていなければ家は安定しないのと同じ理屈です。
「歯根」はその周囲を骨が満たしていますので、周囲の骨、つまり歯周組織も健全でなければなりません。
したがって被せ物を製作する前に「レントゲン撮影」、「歯周検査」を行い、歯根や歯周組織に問題がないか調べる事が必要になります。
問題があれば、先にそれらの処置をします。
その間に「仮歯」を装着して歯の機能や見た目の審美を担保します。
歯は「神経の有る歯」と「神経の無い歯」に分ける事ができます。
いずれの場合にも「被せ物治療」は行われます。
しかしながらほとんどの場合において「被せ物治療」は「神経の無い歯」に対して行われます。
「神経の有る歯」において「被せ物治療」をするという事は、歯を削ることが必要となるので、術後にしみたり、噛むと痛かったりとトラブルが起こる原因になる事も少なくありません。
MI(ミニマル インターベンション)とは、歯に対する侵襲を最低限に抑えることです。
この理念からここ最近の歯科医療では、「神経の有る歯」を削ってまで被せ物をすることは出来るだけ避けた方が良いのではないかという意見が多数派となってきました。
「歯の神経が有る歯」の被せ物をするときには、セカンドオピニオンも含めて熟慮する必要があります。
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