抜歯か歯を残すかの判断
投稿日:2017年11月23日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
抜歯か?保存か?
この二者択一は、非常に判断が難しい時があります。しかしながらこの状況は、臨床においてしばしば遭遇する問題であります。
先日ある患者さんが来院されました。主訴は「奥歯が何度も炎症を繰り返し不快な状態が続いているので改善してほしい」とのことでした。他院にて抜歯を勧められたようですがどうしても抜歯したくないとのことでした。当医院でも情報をいただき診断しましたがやはり長期間保存するのは、非常に困難であると判断しました。しかしながら患者さんの保存への強い希望がありましたので保存していく治療方針を立てました。
この判断は、もろ刃の剣で歯を抜歯した方が後の治療(抜いた歯の欠損部を回復する)の予後が良好であろうと考えられます。一方で歯を残した場合やはりその期間に炎症によるトラブル(腫れ、膿が出る、出血する、痛いなど)がしばしば起こることが予想されます。また長期にわたりその状態が続くと周りの骨が吸収して後の治療(抜いた歯の欠損部を回復する)の予後が悪くなる恐れがあります。
しかしながその問題の利点欠点が十分に説明されたことが前提であれば最終的な判断は、患者さん自身に決断していただくことが最善だと考えます。現代は、患者さんも自分自身で様々な情報をえることができます。それゆえ患者さん自身もご自身の疾病に関して十分に理解していただくことがよりよい治療の結果を招くと思います。もちろん自分自身で情報が得ることのできない場合は、リベラルな情報提供を心掛けていますので何でもご相談いただければと思います。
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