小児の虫歯予防について その3
投稿日:2020年6月13日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
前回のお話しでは、虫歯の原因菌であるミュータンス菌についてお話ししました。
ミュータンス菌は糖を分解して、歯の表面を溶かす酸を産生、それだけではなく他の虫歯に関連する細菌には作ることのできない、粘着性のある不溶性グルカンという細菌がプラークとして歯面に付着する足掛かりとなる物質を作り、虫歯を発生させます!
虫歯予防を考える際に、
1)母親の口の中で咀嚼した食べ物を幼児に与えない
2)甘い物をなるべく控える
3)食べたら歯を磨く
など一般的的に言われ続けている虫歯予防の対策がありますが,これらをより深掘りしてみると
1)ミュータンス菌の伝播・定着の抑制
2)糖の摂取量の抑制
3)デンタルプラークの付着抑制
と言えることができます。
これら虫歯発症要因のコントロールすることで、虫歯を抑える事に繋がることがお分かりいただけると思います。
虫歯原因菌の子供への伝播・定着について
乳歯萌出前の口腔内からは、ミュータンス菌は発見されていません。
生後6~8週では母親の乳首の細菌叢と相関し、
生後6か月では母親の唾液の細菌叢と相関がみられるそうです。
乳歯萌出後に細菌の種類は一気に増加し、ミュータンス菌の保菌者も出始めます。
5歳までにミュータンス菌の保菌が認められた小児の感染時期は、生後19~31カ月に集中しているそうです!
この時期において上記の要因をコントロールすることで、虫歯を抑制することが出来ます!
特に母親からのミュータンス菌の伝播をこの時期において慎重に注意する事が大切であると考えます!
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