顔の形が左右で違うんですけど・・・
投稿日:2017年12月12日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
ある患者さんから質問がありました。
「左右で顔の形が違うんですけど治せますか?」という質問でした。
特に女性の方からこのような質問を受けることがしばしばありますが、答えとしては「無理です!」というか違って当然です。顔に限らず、手、足、目、鼻の穴などにも左右差があります。特に硬組織周囲の機能を伴う部位においてはその左右差は顕著に表れます。
右利きの方の腕の太さは左の腕よりも太いことが常ですが、それは単純によく使う腕の筋肉が発達しているためでしょう。
お口の中にも同じような事が現れます。噛み方にも左右差があります。その差は、よく観察すると様々な部位で見受けられます。例えば、歯の並び、歯列です。習慣性に使っている側の歯列は、よく摩耗して平らになりますが、そうでない側の歯列は、湾曲していることが多いです。顎の関節の形にも違いが現れます。
これらの差は、長い時間をかけて出来上がった形態なので一朝一夕でできたものではありません。それらの形態が機能を持っているということです。したがって噛み方に左右差のある方が、ある日突然、噛み方を意識的に変えてしまうと、機能を失うことに繋がります。その結果、予期せぬ様々な症状が現れます。「歯がしみる、詰め物がとれる、歯が欠けるなど」人によって様々ですが、すべてネガティブな事象ばかりです。
機能と審美は対極にあることがしばしばあります。審美を追いすぎると機能が損なわれることも多々あります。審美的な問題が多かれ少なかれあったとしても、よく噛めて、よく話せて、より良い日常を過ごせることができれば何よりではないでしょうか。
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