矯正治療 今と昔ではどう違う? 尾張旭から発信
投稿日:2018年10月26日 執筆者:院長 歯科医師 永井伸頼
カテゴリ:院長ブログ
一昔前の矯正治療、現在でもこだわり続けてその手法「スタンダード・エッジワイズ法」を用いているDrもわずかながらいらっしゃいますが、
現在、世界共通の手法として用いられている矯正治療の方法「ストレートワイヤー・エッジワイズ法」、
これらの違いについて少しお話ししてみたいと思います。
スタンダード・エッジワイズ法:歯を移動させたり、歯を傾斜させたりするのに、円状の形態をワイヤーに付与したり、トルクというひねりをワイヤーに入れたり、セカンドオーダーベンドといった階段状にワイヤーを屈曲したものをつくらなければならないのです。とにかくワイヤー操作がとても大変なのです。ワイヤーを交換するたびに、再び同じ条件でのワイヤー操作を行うという大変な技術が必要とされます。しかし、そんな神ワザを有する人は少なく、たいていは以前とは多少異なるベンディングを屈曲して、同じ条件をもつものとしてワイヤーを交換しているのが現状です。またループなどの複雑なベンディングを行うため、食物残渣がたまりやすく、齲蝕や歯周疾患にもなりやすいのです。
現在の視点から見るとネガティブな所ばかりが浮き彫りになってしまいますが、それが一昔前と言われる所以でもあります。
ストレートワイヤー・エッジワイズ法:ニッケルチタンという形状記憶合金を使用します。どんな形にしても元の形(平坦)に戻るワイヤーを使用して治療します。この性質を利用して歯を動かす力とします。、治療後はスタンダードエッジワイズ法で行うのと同じ結果になるばかりか、治療期間も短縮できます。 ストレートワイヤーエッジワイズ法は、ワイヤーを屈曲するかわりにブラケットのスロット(溝)の深さ(距離)を変えたり、スロットに角度を入れることで、ワイヤーを屈曲したのと同じ効果を出せるように工夫したものであります。なぜ、このようにしたかというと、今までのスタンダードエッジワイズ法では、かなり難しいテクニックが必要とされ、また、今まで使用したワイヤーを新しいワイヤーに変えてトルクを再び入れるにしても、必ずしも今までのワイヤーと同じ度合のトルクを同じように入れるのは難しく微妙に狂ってしまう。そこで、ワイヤーをいつも同じストレート(平坦)にしておいて、ブラケットのスロットに深さの違いや角度の違いを与えることで同じ結果が得られるように工夫されました。
説明が長くなってしまいましたが、矯正治療は「術者の技術」重視から、
「診断」、「使用する材料、器具」、「精度の高さ」、「短い治療期間」重視へと
変わっています。もちろんですが、術者にある一定以上の技術は求められますが、それ以上に上記の事が不可欠になります。
矯正治療に限らずですが、まず正しい審査、診断のもと治療を進めることがどの時代においても最優先事項となります!
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